視覚障害者のITIL資格取得

ITILファンデーション資格を取得したのでその際のメモです。

なお筆者は全盲の視覚障害者のため、そうでない人にはこのブログの内容は有益ではない可能性があります。

資格を取得しようと思った理由は、ITサービスについて体系的に学びたかったのと、ITIL資格を取得したかったためです。

視覚障害者が学習をする上で、いちばん問題になるのは参考書の確保かと思います。
私が受験した当時は、PDF版電子書籍がなかったので、自炊してPDF版を作ろうと思って下記書籍を購入しました。

IT Service Management教科書 ITILファンデーション シラバス2011(翔泳社)

ITILの参考書としては有名なもので500ページ以上ある書籍です。おそらく独学で受験する人はほぼみなさんこの書籍を購入されると思います。
現在はこの書籍のPDF版も発売されていて、私も購入して参考にしています。

500ページ以上の書籍をレイアウトを保ちつつ自炊するのはめんどくさいということになって、3日間のトレーニング(試験つき)を受講することにしました。

まず1社目に問い合わせ

視覚障害者の受講生は過去いなかったけど、可能な限り対応しますとの回答でした。希望の配慮内容があれば教えてほしいとのことでした。
後述の2社目より定員が少なかったので、大人数の講義より質問などしやすいかと思ってまずはこちらを検討しました。

トレーニングで使うテキストの電子媒体での提供交渉をしました。
・・・
著作権者から許可が得られず電子媒体、具体的にはPDFでの提供はNGとの回答でした。
ということで1社目は断念しました。

続いて2社目と交渉

実は以前にも2社目の開催トレーニングで全盲の人が受講して合格していることは、この2社目のWebサイトで知っていました。
交渉~受講申し込みまですぐに進みました。

テキストのPDFでの提供も承諾をいただき、また講義の録音の許可もいただきました。

ただしテキストの受領には自己の学習のみに利用するという誓約書と、録音についてはNDAを締結しています。受講の前にこの2つの契約をしています。
ですので提供いただいたPDF版のテキスト、講義録音はセキュアに保管しています。門外不出です!

そして受講

CISSP CBKトレーニングほどはハードではなかったです。9:30~17:30ぐらいが講義時間です。
今回はCISSP CBKトレーニングと違って、前泊せず、講義初日の朝の新幹線で上京してOKでした。

会場の座席ですが、飲み物を買いに行ったり、お手洗いに行くことを考慮して入り口側にしていただきました。初日には講師がどこに何があるかなど案内をしてくれました。

講義ですが、さすが講師の人は講義が上手です。またITIL試験でおさえてほしいポイント、深入りしないでもよいポイントをしっかり教えてくれます。
実際の業務でのベストプラクティスやご自身の経験なども講義の合間に話してくれます。

もちろん質問や、ベストプラクティスに対する疑問をぶつけるのもOKです。

いざ試験

最終日は講義が早めに終わります。その後にITILファンデーション試験となります。
私以外の受講生は講義と同じ教室でCBT試験です。

私は別室でCBT試験ではなく、ペーパーでのテストと代筆者による回答用紙への記入回答でした。試験時間は1.5売の90分だったと思います。
試験時間は90分いただきましたが、読み返しも含めて60分で終了にしました。

CBT試験ではないので合否判定は後日になります。

試験のエントリーですが、講義初日の夕方までに各自の机にあるPCからエントリーをします。このPCをCBT試験に使います。
私は自分で画面を見てエントリーできないので、講義初日にExcelで登録票をメールでいただいて、昼休憩に記入し添付ファイルで返信、その後にトレーニング主催者のほうでエントリー手続きをしてくれました。

結果発表

金曜日に受験したのですがEXINからは翌週の月曜日に結果が届きました。

記載されているURLにIDとパスワードでログインすると・・・合格でした。

後日段

結果は主催者に報告しお礼のメールを書きました。

合格から2カ月以内に申し込めばITSMFジャパンの年会費が半額ということで入会しました。

今回はITサービスについて体系的に学習するよい機会になりました。
俗人化した作業の標準化について学べるよいきっかけになりました。